入手
TA-F40 をヤフオクで入手しました。1000円で競り合うことなく落札しました。送料のほうが高い。
ついに「音出ませんでした」というモノに手を出してしまった。
(落札したのが到着したのが 2023/10/16)
動作確認
2023/10/22 日曜日。1週間ほどして「音出ず」がどんなものか、状態を確認した。
- 蓋を開けて中を確認
- ホコリはそこそこあるが開けた形跡、いじったような形跡はなし
- 基板や部品に目立ったダメージは無いようだ
電源を入れてみると、電源部分のリレーとスピーカーのミュートリレーはちゃんと動く。基本的なところは動いているようだ。
ウオークマンを入力端子につないで恐る恐る電源を入れてみるが、なるほど音は出ません。出品者の言うとおりだ。
スポンジテープがボロボロと崩れてくるのでまずは清掃することにした。スポンジテープはアルコールでテープを剥がす。ホコリも刷毛とエアダスターで除去。
調査開始
まずは TA-F40のサービスマニュアルをインターネットから探してダウンロードした。そして印刷して今後の解析に備える。
まずはサービスマニュアルにあるようにDC BIAS の確認から入る。調整目安としては 15mV の BIAS電圧である。テスターで測ってみると 120mV と読める。調整用半固定抵抗を回しても全く変化しない。調整用の半固定抵抗はすでに正常な状態ではないのは予想通り。TA-F55 で使用した買い置きの部品と交換して改めて調整してみると、音が出るようになった。しかしハムノイズが乗っている。
各入力に繋ぎ変えて確認を継続して見るとAUXで割とまともになるようだ。
次に BASS, TREBLE, LR balance, を確認していくと balance ボリュームを操作すると非常に音が不安定。KURE の接点復活スプレーを染み込ませてしばらく回転させてやるとガリや不安定さが解消した。しかし入力を TAPE/AUX/TUNER で変えてみるとまだハムノイズが乗るようだ。どうも外部入力基板が不安定なようで、微妙に力を入れるとノイズが解消する。
次回いじる機会に入力基板のチェックすることにしよう。
信号インジケータのLED
TA-F40 には日本仕向でもLEDの出力のLEDが装備されている。TA-F55 では欧州仕向で実装されていたもの。こちらが全く動かない。ここにも sense 調整用の半固定抵抗が回路上にあって、この抵抗値が異常な状態だとだめなのだが、思ったとおりいくら回してもウンともスンとも反応しない。この抵抗は回路的には 22kΩ。手持ちで適当な抵抗値の部品はなかったので今度調達して治すことにしよう、と覚書して、本日はここまで。終了。
2023/10/22 続き
TA-F40 は最初のチェックで音は出るようになったので、大きな問題はないだろう。
当面やっておくこととしては
- 入力端子の接触不良のチェック
- 古くなったコンデンサの交換
- 現時点の状態での長時間動作評価
だろう。
端子のチェック
RCA端子へプラグのさし方によって信号の状態が不安定になっているためリアパネルを緩めて入力端子基板をよく見てみた。
特にはんだのクラックなどのダメージはなさそう。端子に白く錆が出ているので書くピン穴をよく清掃する。無水アルコール使用。
ついでにRCAのメス端子部品の採寸しておいた。RCAステレオメス端子の3組+2組の部品で構成されている。外寸と端子間の距離と基板へはんだ付けされている端子のレイアウト。同じものが購入できれば買ってみよう。
パイロットランプの状況
麦球の電球の tuner 用のインジケータが切れている。電圧未確認。
レベルメータ
前回確認したとおり、調整用の半固定抵抗が22kΩの部品がほぼMΩレベルのため要交換
大きい部品はサイズ測定しておいた
- 電解コンデンサ
- 2200uF 50V (2) φ25mm h40mm
- 470uF 50V (4) φ16mm h25mm
- 330uF 10V (1)
- 10uF 16V (5)
- 1uF 50V (4)
- 220uF 6.3V (2)
- 10uF 25V (2)
- 22uF 10V (1)
- 100uF 6.3V (1)
- 2.2uF 50V (1)
- 10uF 50V (2)
- 470uF 25V (2)
- 2200uF 6.3V (1)
- 4.7uF 25V (1)
- 酸化金属皮膜抵抗
- TA-F55 では見た目心配な部品を交換したが、焦げたようなものは特になし
ボリューム・バランスの状態
L/R バランスをいじるとガリがひどく、ボリュームも不安定なのがよろしくない。先日港南台のコーナンで買っておいた KURE CRC 接点復活スプレーを使ってみる。バランスボリュームが一番ひどい状態なので、ボリューム部品の上部隙間に少しずつスプレーノズルを添えてスプレーする。徐々にじわじわしみていく。そして10~20回くらい min/max をゆっくり往復させる。結果的に非常によく効いた。以後バランスボリュームの動作によるガリや音量の不安定は解消した。また、この結果メインボリュームの操作による音量不安定も解消した。
BASS/TREBLE のボリュームに関しては特に気になるような不安定さはなし。
ここまでで通常の音出しについての不都合な点はなくなってしまった。
実戦投入!
こうなるともう実際に使用して壊れないことを確認してみたくなった。
寝室の TA-F55/TA-F35 の評価システムに TA-F40 も実戦投入して様子を見ることにした。
いつもの環境です。
いずれの入力ソースも前回見たようなハムノイズ的なものはなくなっており、端子清掃が効果があったようだ。RCAの端子部品交換するまでもないかもしれない。
スピーカ出力も L/R のアンバランスなところもなくむしろ TA-F35/F55 で聞いていたよりも一番状態がいいかもしれないと思うくらい。これでしばらくラジオ聴いたり寝る前のウオークマンの音楽など使ってみよう。
次の課題
アンプの出力インジケータのLEDがピクリとも動かないのが寂しいので、22kの半固定抵抗の代わりにちょっと大きめだが手持ちの部品を使って動きが出るように。
TUNERのパイロットランプを交換するか、LEDにして電力削減するか。
そして現状のレベルでの音質確認もしてから、電解コンデンサを一斉交換といこう。
2023/11/04メンテの続き
3連休中日の午後、ランニングの後の数時間メンテした。
1週間ほど毎晩ウオークマンの音を鳴らして全く問題なし。もうちょっと治せるところを軽く治しましょう。
- アンプのインジケータの半固定抵抗交換
- TUNERパイロットランプ
半固定抵抗はいくら回しても抵抗値がMΩレベルで、本来の22kΩにしては大きすぎるためLEDが反応しない状態だった。抵抗を外して測定すると結構抵抗値が下がっている。はんだごてで熱を加えたらちょっと復活したみたい。接点復活スプレーも併せてみると抵抗値が下がってきた。ボリュームに応じて反応するようになったのでまた基板に戻してそのまま交換せずに使うことにする。
(でも秋葉原に行くことがあったら 22k の秋月で売っているこのサイズの半固定抵抗を購入する)
もう一つパイロットランプは手持ちの TA-F35 で交換するのに使用した電球を使えるか。基板の電圧を確認すると7V強だった。手持ち電球は 9V(確か)のタイプなのでこれでいけるので交換する。リード線もほぼぴったりで基板の上から付け替える。
しかし、交換した電球はもとの部品と比べると輝度が少し低いのでいまいちな感じ。電圧は上げられないのでこのまま妥協して使う。将来やる気になったらLEDへの置き換えも検討する。
20231105昨日のメンテについて
気づいたこと
- やっぱり入力セレクタのTUNER選択のパイロットランプが暗い
- 電源投入時のスピーカミュートリレーが大きく「バツっ」というときがある
電源を入れるときにリレー解除とともにプロテクトがかかるみたい。こうすると音が出ないので「?」となる。そこで電源落として再度電源スイッチを入れると「ピンっ」という音とともにスピーカーミュートリレーが解除されて音が出る。
昨日ボリュームインジケータとパイロットランプをいじったのが影響してしまったか?
次回電解コンデンサ交換の折にリレーの挙動のチェックだろうか。。。
20231111 コンデンサを調達した
土曜日。用事を済ませて秋葉原まで足を延ばしてTA-F40 用に電解コンデンサを調達した。
3時過ぎに秋葉原に到着した。電解コンデンサをまとめて調達するときは千石電商さんへまっしぐら。この記事に記載しておいた部品を拾って1600円ほど。秋月さんにもよって半固定抵抗も買ってくる予定だったけれどうっかり忘れてしまった。
2200uF 50Vのオーディオグレードは nichicon FG があるかと思ったけれどおいてないので今回はnichicon audio grade の青いのでそろえる。105C品だしいいだろう。FGは85Cなのだな。
調達のあと神田のヤッホーブルーイングのやっているバーで一杯ビールをひっかけて帰る。
20231112 コンデンサの交換
昨日調達した電解コンデンサを交換する。
一番の目玉の 2200uF は接着剤で固定されているのだがこれを削りつつ、はんだを吸い取ってみると、、、コンデンサ下を張っているジャンパー線が思い切り腐食してあっという間に崩れ落ちてしまった。だいぶ電解液が漏れていたようだ。よく動いていたなと思いつつ、早く見つけてよかった。今回は被覆付きの電線で配線を修復する。まだ崩壊していなかったジャンパも併せて交換する。
これを
こうした。
このあとコンデンサの在庫を探しながら交換していくが、最終的にブルーに染まる。
動作確認してみると、電源オンでスピーカのミュートリレーがカチッと言ってすぐにプロテクトがかかってしまうような症状があったのだが、それがなく一発で音が出せるようになったのを確認できた。やった!
コンデンサ交換で改善したかな。
さてまた寝室に設置して新しいコンデンサを慣らしていきましょう。
20231113 あっまだダメだ!
夜中長時間音楽再生しっぱなしで新しいコンデンサのエージングとした。
ボリュームを小さくしておくとL-ch が音が出なくなることがあるなあ。やっぱりこれもリレー交換しないといけないくらい最小抵抗値が上がっているかな?と思う。
さて夜になって一応電源入れて一発で音が出ることを確認してみようとすると、「カチッ!バチッ!」といってプロテクトがかかってしまう。
あー、まだダメだったのか!
昨日は修理直後も再設置した後も一発で音が出たというのに!
温度で影響があるのか、なんなのか。やみくもに部品を変えるよりもリレー制御部分をチェックしていかないとダメかも。
回路図を見てみるとリレー制御ICがある。HA12002 でリレー制御しているようだけれど周辺の抵抗やコンデンサと、あとICの不良もあるかなとググってみると一件ある。アンプの再生中にリレーが開いてしまう症状を修理しているブログだ。しかしこちら、交換してからも症状に改善はなかった模様。
このICはディスコンで交換するにも簡単には買えないなあ。
20231209 リレー交換しておく
毎晩TA-F40 でウオークマンの入力で音楽を聞いていると、夜なのでボリューム極小にしているのだが徐々にボリュームが勝手に下がるように音が小さく、でなくなるという症状が出ます。これは気になる。
スピーカーミュートリレーの接触が劣化しているのだろうか。
買い置きのリレーに交換しておきたい、と思っていたので交換した。
それはそれで置き換えしたのだが、カバーを開けて目についたのが先日交換したばかりの電源部分の電解コンデンサの膨らみであった。ヤバそう、、、とおもってよく見たら極性が逆である。同じニチコンのコンデンサの予備があるので交換して極性も正した。これまでよく問題なく音楽聞いていたもんだな。
そしてもう一つのメンテとして、電源の平滑コンデンサの 1000uF 160V の大きなコンデンサ、先日千石電商さんで買っておいた 1000uF 200V 105C のコンデンサに置き換えてみた。
大きさが全然ちがう。40年くらい立っているのだろうか。同じニチコンの電解コンデンサだけれど、とっても小さくなっており、実装に工夫が必要だった。
立てても入るくらいにコンパクトになっているのだが、足元のスペースが不足していてそのように実装することはできない。今までと同じように横に寝かせて、太めのリード線で基板へ配線することにした。固定用の金属板もゆるゆるになってしまったので、工具箱にあった自己融着テープが厚みがあって良さそうだったので何枚か重ねて固定する。
火入れして動作に問題なさそうであった。
最後に改めてフロントパネルと天板をセスキ炭酸スプレーでよく磨いてリフレッシュして終了した。
F40 のオーバーホールはこれで概ね終わりかな。